ミワです。/miwadesu.

祭美和は分裂した。

歌は手 うたのはじまり

 

 

 

この一週間声が出なかった。

 


映画「プリズン・サークル」を観に行った時に予告を観て、前売りを買った

「うたのはじまり」

お布団に横になりながら 今観たいな、とおもった

 

 

 

この映画の主人公、カメラマンの齋藤陽道さんは

生まれたばかりの子供にこもりうたをうたう。

 


齋藤さんは耳が聞こえなくて、子供は携帯からながれる音楽で体をゆらしたり、

齋藤さんが床や手を叩く音にあわせて子供が動く

 


齋藤さんはじぶんの子供を介して音を感じているきがした

子供が親の鼓膜になってるかんじ (耳管?耳小骨?)

遠隔操作できる耳みたい

 

 

 

多分人は人を介して物をみたり音を聞いたり匂いを感じたりしているのかも

人といる、向き合うってそういうことなのかも

人を通して自分をみたりも

 

 


齋藤さんの言った、歌は手だということ

歌を手として子供にさしのべてるということ

 


音楽とはなんですか、という問いにたいしての答え探していたけど

歌は手なんだ。

 


私はあなたに手をのばしたくて歌をうたっているんだ

 

 

 

昔から、声がちょくちょく出なくなる。

(歌い手として自己管理能力が乏しいと言われてしまえばそれまでで

恥ずかしいはなしだけど、今までそれで仕事が飛んだことはないからゆるして)

 


言いたいことがたくさんあるのに言えないとき、

思ってないことをたくさん言ってしまったとき、

考え事があふれかえってるとき、などに声が出なくなるから

まぁ声帯(および思考)のリセット・リトリート期間だと思うことにしてる

 


一週間ぐらい呼吸するのが辛くて、咳も出てきたから

今この時期にその症状は不安すぎる…と思ったら、

熱はなく、お医者さんには喘息の再発と言われた。

 


それで家にずっとひきこもってたら咳のせいで声がとんだ。

 

 

 

声が治る兆しはいつも、無意識の瞬間にハナウタをうたってるとき

お皿洗いながらとかフンフン言ってて、

あ、出てるわ。ってなる

それまでは音が出ないorやたら高い声orナチュラルにデスボイスになるくらい

枯れるかのどれかなんだけど、

ふと普通にうたえるときがきて、時差で気づいてびっくりする

あとは独り言も、ふつうの声で言えるようになる。

 


でも、人と話すと相変わらず声が枯れたり咳き込んだりする。

だからたぶん、人と向き合って言葉を発するとき、

よけいな力が入っているんだろうなと思う。

 

 

 

うまく声が出せない時は筆談したり、ボディーランゲージで話す

飲食店や買い物などは難しい。だいたいけげんな顔をされる。

トイレに行きたいのにその前に人が立ち塞がってても声をかけられないし、

道でぶつかってしまっても声で謝れない。(しゃべれや)という無言の圧を感じる。

 


だけど筆談が面白いなと思うのは話したことが形として残ること

走り書きや、携帯やキーボード入力で話すんだけど

後で読み返すと面白いし、こころなしか

声を出して会話する時よりも、話が整理されてる気がする。

 


LINEやTwitterなんかも会話が残るけど、それともまた少しちがう…なんだろ

顔を合わせながら、一つの紙に向かうっていう、こっくりさん的な?

その空気とかそこで生まれるボディーランゲージとか

声が出ないぶん表情、文字の大きさとか丸や下線、様々なツールを駆使するかんじが

立体のスタンプや絵文字感があるのかな。

 

 


「うたのはじまり」を観ていると

その多様なコミュニケーションの面白さをおもう。

様々なツールを使ってじぶんのきもちを外に出す。

それは文字でも動きでもダンスでも音楽でも写真でもなんでも、

必ずしも言葉、声でコミュニケーションしなくてもよい

 


毎回毎回声が出なくなるたんびにボディランゲージしてるうちに

みわ語みたいな動きがだんだん安定してきた気がするんだけど

そろそろ手話を身につけるべきな気がした。

 

 

「うたのはじまり」

 

また観たいな。

 

先の予定決めるのが苦手で人と会う予定を入れるのすら億劫なのに

脊髄反射で前売りを買ったわたし、えらい。

かこのわたし、ありがとう。

 

 

そう、

名シーン?に全く触れてないけど

 

出産の瞬間、飴屋法水さんの作品、お風呂、七尾旅人さんがお家に遊びに来る所、ラストシーン…

 

とにかくもうどこをとってもそれだけで素晴らしいシーンがたくさんつまった映画。です。

 

 

そして、この映画に出会うきっかけをくれた「プリズン・サークル」も大変素敵な映画です。

 

これについてはまたいつか、ふと思いついた日に。

 

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前売り券と共にいただいたポストカード。すき